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健康診断のこと / 健診の後に

項目解説

※右側のサイドメニューから検査の種類を選択できます。
※表の説明は一例です。必要に応じて適切な医療機関を受診してください。

血液一般  ▶︎この分野の解説とアドバイス

項目 基準値 検査の目的
血算等
白血球数(×103 4.0~9.0 細菌やウイルスから身体を守る免疫に役立つ。感染症や骨髄障害などで異常値を示す。
赤血球数(×106 男性 4.00~5.20
女性 3.70~4.90
身体に酸素を運ぶ血球成分。少ない場合、貧血や出血、多い場合は多血症を疑う。
血色素量 男性 13.0~17.0
女性 12.0~16.0
赤血球中に含まれる酸素を運ぶ成分。貧血で低下する。
ヘマトクリット 男性 38.0~49.0
女性 34.0~44.0
血液中の血球の割合を示す。貧血で低下、多血症で増加する。
MCV 男性 84.0~98.0
女性 84.0~94.0
平均赤血球容積。赤血球1個あたりの容積を示す。鉄欠乏性貧血で低値となる。
MCH 28~35 平均赤血球ヘモグロビン量。赤血球1個あたりに含まれるヘモグロビン量を示す。
血清鉄 男性 45~165
女性 35~155
血液中の液体成分である結成に含まれる鉄分のこと。ヘモグロビンの原料となり、低ければ鉄欠乏性貧血などが疑われる。
フェリチン 男性 26~240
女性  8~74
肝臓や脾臓のような臓器や骨髄・粘膜などに貯蔵されている鉄のこと。体内の鉄の量を調節している。
UIBC 男性 105~305
女性 115~315
おもに貧血の鑑別目的で行われる検査。血液中の鉄と結合していないトランスフェリン。体内の鉄不足で増加、感染症・炎症などで低下する。
TIBC 200~400 TIBC=血清鉄+UIBC
血小板数(×103 120~440 主に止血の役割を持つ。肝障害などで低値を示す。
血液像
好塩基球 0~3 アレルギー反応に関与。
好酸球 0~10 アレルギー反応に関与。
リンパ球 19~59 ウイルスの排除、免疫反応の主役。
単球 0~12 主として細菌や真菌を排除する。
好中球 40~70 主として細菌や真菌を排除する。
感染症・急性炎症に早く反応して増える。

※血液像はそれぞれの増減や形態などで病気が予測できることもある

肝機能  ▶︎この分野の解説とアドバイス

検査項目 基準値 目的
総蛋白 6.5~8.5 血液中の総蛋白の量を示す。
栄養状態・肝機能や腎機能の異常がわかる。
アルブミン 4.1以上 血液中に一番たくさんある蛋白で、肝臓で合成される。
肝障害・栄養不足・ネフローゼ症候群などで減少する。
A/G比 1.25以上 アルブミンとグロブリンの量の比率から、肝臓などの障害がわかる。
総ビリルビン 1.3以下 黄疸の指標で肝・胆道系疾患の有無や、程度がわかる。
ALP 120~340 主に、肝臓・胆管・骨などに多く含まれる酵素で、これらの臓器の疾患で高値を示す。
AST(GOT) 35以下 心臓・筋肉・肝臓に多く存在する酵素。
これらの臓器が障害を受けると高値を示す。
ALT(GPT) 35以下 ASTと同じように、様々な臓器に存在するが、特に肝臓に多く存在する酵素。ASTに比べてALTが高いときは肝障害と考えられる。
LD(LDH) 110~225 各種臓器に広く分布し、肝臓・心臓・腎臓などの臓器のほか、筋肉や血液にも多く存在する。これらに障害があると、高値を示す。
γ‐GTP 60以下 肝臓や胆道に異常があると高値を示す。特にアルコールの影響で高値になりやすく、アルコール摂取による肝機能障害の診断指標になる。
コリンエステラーゼ 214~466 主に、肝機能を反映しており、肝障害や栄養不足などで低下し、ネフローゼ症候群や脂肪肝などで高値を示す。

  ▶︎この分野の解説とアドバイス

検査項目 基準値 目的
アミラーゼ 137以下 膵臓や唾液腺に含まれる消化酵素で、これらの臓器の疾患で高値を示す。

肝炎  ▶︎この分野の解説とアドバイス

検査項目 基準値 目的
B型
HBs抗原 (-)0.05未満 B型肝炎ウイルスに感染しているかを調べる。
HBs抗体 (-)10未満 B型肝炎ウイルスに対する抵抗力の有無を調べる。
C型
HCV 0.9以下 C型肝炎ウイルスに感染しているかを調べる。

心臓  ▶︎この分野の解説とアドバイス

検査項目 基準値 目的
CK 40~180 骨格筋や心筋に含まれる酵素で、これらが障害されると高値を示す。
BNP 18.4以下 心臓の心室で作られ、心不全や高血圧、心肥大、急性心筋梗塞など心臓に負担がかかったり、心筋虚血の状態で高値を示す。

脂質  ▶︎この分野の解説とアドバイス

検査項目 基準値 目的
総コレステロール 150~219 血液中のコレステロールの総量を示す。細胞やホルモンを作るために大切な物質ですが、増えすぎると動脈硬化の危険性が高まる。
中性脂肪 149以下 過剰に摂取されたエネルギーは中性脂肪として貯蔵され、高いと脂肪肝などの原因となる。食事・飲酒などでも高値を示す。
HDLコレステロール 40以下 コレステロールの一部で、血管壁に付着した過剰なコレステロールを取り除く機能がある。そのため、高いと動脈硬化などが起こりにくいとされている。
LDLコレステロール 139以下 組織に沈着しやすいため、動脈硬化の主な原因と考えられている。
L/H比   LDLコレステロールの数値をHDLコレステロールの数値で割った値。L/H比が高いと動脈硬化になりやすいと考えられる。

糖尿病  ▶︎この分野の解説とアドバイス

検査項目 基準値 目的
血糖 70~109 エネルギー源として全身に利用されるブドウ糖の血液中に含まれる量を調べる。
HbA1c 6.2以下 1~2ヶ月間の血糖の状態を推測できる。糖尿病確定診断の指標の一つである。
尿糖 (-) 尿中に糖が出ているかを調べる。

痛風  ▶︎この分野の解説とアドバイス

検査項目 基準値 目的
尿酸 2.0~6.9 細胞の核の成分であるプリン体が分解されてできる老廃物。痛風で高値を示す。高尿酸血症は肥満や食べ過ぎ、お酒の飲みすぎなどが関係する。

腫瘍マーカー  ▶︎この分野の解説とアドバイス

検査項目 基準値 目的
CEA(全般) 5.0以下 多くのがんで数値が高くなる。特に消化管の悪性腫瘍で上昇。最も汎用的である。
CA19-9(膵・胆) 37以下 膵臓がん・胆管がん、各種消化管がんで上昇。
CA125(卵巣) 35以下 卵巣がん、膵臓がん、肝臓がん、肺がん、胆のうがんで上昇。
卵巣がんでは特に高い相関関係がある。
AFP(肝) 13.3以下 肝細胞がんで上昇。肝炎や肝硬変でも上昇する。
PSA(前立腺) 4.0以下 前立腺がんや前立腺炎症で特異的に上昇する。

便潜血  ▶︎この分野の解説とアドバイス

検査項目 基準値 目的
便中ヘモグロビン(1) (-) 消化管での出血があると陽性となる。
痔や大腸がん、大腸ポリープなど。
便中ヘモグロビン(2) (-)

炎症  ▶︎この分野の解説とアドバイス

検査項目 基準値 目的
CRP 0.3以下 体内に炎症があると血液中に現れる蛋白質。
急性炎症で上昇する。
リウマチ因子 15以下 自己抗体といわれるもののひとつで、関節リウマチや他の膠原病など自己免疫性疾患にみられる蛋白質の一種。

甲状腺  ▶︎この分野の解説とアドバイス

検査項目 基準値 目的
FreeT4 0.70~1.48 TSHによって分泌促進される甲状腺ホルモン。
TSH 0.35~4.94 脳の下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモン。

※これらのホルモン量を調べることで、分泌機能に異常がないか調べる。甲状腺の働きと異常がわかる。

梅毒  ▶︎この分野の解説とアドバイス

検査項目 基準値 目的
RPR (-) 梅毒スクリーニング検査。感染初期で陽性となる。治療後は陰性化する。特異的でなく、他の疾患で陽性になることもある。
TPHA (-) 梅毒に特異的な抗体を検出する検査なので、他の疾患で陽性となることがきわめて低い。感染から陽性になるまで数カ月かかり、治療後も陽性を示すことが多い。

腎・尿路系  ▶︎この分野の解説とアドバイス

検査項目 基準値 目的
尿素窒素 0~22.0 蛋白質が分解される際にできる老廃物で、主に腎臓から尿中に排泄される。そのため腎臓の機能が弱まると血液中で高値になる。
クレアチニン 男性 0.50~1.10
女性 0.40~0.80
筋肉内にあるクレアチンからでき、腎臓から尿中に排泄される。そのため尿素窒素と同様に腎機能の機能が弱まると血液中で高値になる。
e-GFR 60以上 腎臓が尿中へ老廃物を排泄する能力の指標。値が低いほど腎臓の機能が低下していると考えられる。
検尿
蛋白 (-) 腎臓が障害されると尿中へ蛋白質が排泄されてしまうため陽性となる。
潜血 (-) 腎臓や尿路からの出血により、尿中へ赤血球が排泄された場合に陽性となる。
ウロビロノーゲン 正常 ビリルビンから生成され、ほとんどが便中に排泄される。ビリルビンの増加や肝臓の疾患などにより尿中ウロビリノーゲンが高くなる。
比重 1.010~1.030 尿中の水分と水分以外の物質の割合を計算した数値で、腎臓のろ過機能などを表す。
沈渣
赤血球 1未満/HPF 尿中に認められる赤血球は、腎・尿路系の出血を示す。
白血球 5未満/HPF 通常でも尿中に少数認めるが、増加している場合は、腎臓や尿路に感染症などで炎症を起こしていることを示す。
扁平上皮 9未満/HPF 多い場合は、細菌感染などによる尿道炎、尿道結石症などが考えられる。女性の場合は正常でも採尿の際に外陰部や膣などの細胞が混入する場合がある。
細菌   腎盂腎炎や膀胱炎などの尿路感染症の場合、尿中に細菌が認められる。
その他   腎・尿路系疾患では、尿中に円柱や結晶などの物質も認められることがある。

計測

検査項目 基準値 目的
身長 cm    
体重 kg    
BMI 18.5~24.9 身長と体重からBMI(体格指数)を計算し肥満度を判定する。
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
肥満度 %
腹囲 cm 男:85以上
女:90以上
おへその高さのおなか周りを測定し、内臓脂肪の蓄積度合いを調べる検査。

聴力

検査項目 基準値 目的
1000Hz 所見なし 低い周波数(1000Hz)と高い周波数(4000Hz)の両方の音が聞こえるかどうかを調べる検査。
中耳炎、先天性難聴、騒音性難聴などで聞こえづらくなる。
4000Hz 所見なし

眼科

検査項目 基準値 目的
視力
裸眼 0.3以上 裸眼もしくはメガネやコンタクトレンズをつけて、5メートル離れた距離のものをどれだけ正確に見る力があるかを調べる。
矯正 0.3以上
眼圧 20.0以下 眼球に空気を吹きつけ、その反射から眼球の圧力(眼圧)を測定する。緑内障では眼球内の圧力が高くなる。
眼底
K-W   眼底カメラで目の奥の網膜を撮影する。
網膜にある動脈は脳動脈から続いているため、脳の動脈硬化を判定する。
そのほか、緑内障、白内障、黄斑部異常、眼底出血、糖尿病網膜症などがわかる。
ScheieH 0
ScheieS 0
所見  
色覚 所見なし 色覚異常がないか検査する。

血圧

検査項目 基準値 目的
収縮期(最高)mmHg 101~129 心臓から送り出された血液が血管に与える力を検査する。高血圧は動脈硬化の原因のひとつであり高血圧状態が続くと血管が傷ついたり、心臓に負担がかかるので注意が必要。
拡張期(最低)mmHg 51~84

胸部

検査項目 基準値 目的
胸部X線所見 異常なし 胸部にエックス線を照射して、肺や心臓、大動脈に異常な影がないかを調べる検査。
肺結核、肺炎、肺がん、肺線維症、心臓肥大、心不全、大動脈硬化症などがわかる。
胸部X線心臓所見 異常なし
喀痰細胞診 classI 判定B 痰を採取して、顕微鏡で痰の中の細胞を観察し、がん細胞が含まれているか調べる検査。

肺機能

検査項目 基準値 目的
肺活量   息をできるだけ深く吸い込み、スパイロメトリーという機械に思いっきり息を吹き込み、肺の換気能力を調べる検査。
%肺活量 80以上 肺結核、肺繊維症、間質性肺炎、脊椎骨の変形、腫瘍による気管支閉塞などで数値が低下する。
一秒率 70以上 COPD(慢性閉塞性肺疾患)、気管支喘息などで低下する。

胃部

検査項目 基準値 目的
所見 異常なし 食道、胃、十二指腸といった上部消化管の内面を造影して調べる検査。検査前に飲んだバリウムが、スムーズに流れるかどうかをエックス線で見ることで、突起やくぼみの状態により、潰瘍、がん、ポリープなどがわかる。

心電図

検査項目 基準値 目的
所見 異常なし 手首、足首、胸に電極を付け、心臓が収縮を繰り返すときに発する電気刺激を波形として記録する検査。同時に心拍数の測定も行う。波形から不整脈、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)などの心臓疾患がわかる。

腹部エコー

検査項目 基準値 目的
所見 異常なし 腹部に超音波を発するプローブという器具を当て、その反射波(エコー)を受信・解析して画像化する検査。主に肝臓、胆のう、膵臓、腎臓など腹部の臓器を検査し、胆のうポリープ、胆のう結石、脂肪肝、腎結石、腫瘍などがわかる。