健康コラム > 健康コラム第3回 「糖尿病について」
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メタボリックシンドロームと糖尿病
わが国の糖尿病患者数は年々、増え続けています。
最近よく耳にするメタボリックシンドロームとは、運動不足や食べ過ぎにより内臓脂肪が過剰に蓄積し、高血糖、高血圧、高脂血症のうち2つ以上を合併した状態を言います。
この状態を放置しておくと、高血糖が糖尿病を引き起こすことになりかねません。
つまり、メタボリックシンドロームは『糖尿病予備軍』であると言えるでしょう。
国内の糖尿病患者数が増加し続けている原因の多くは、メタボリックシンドロームの増加が関係していると考えられます。

内臓脂肪と皮下脂肪の違い
皮下脂肪は皮膚の下に蓄積された脂肪で、お腹をつまむとつまめる脂肪です。
一方、内臓脂肪は腹部の臓器と臓器の間に蓄積した脂肪です。
見た目にも分かりにくいことから、隠れ肥満と言われる人は、この内臓脂肪が多くついていることが多いのです。
皮下脂肪はエネルギー源として、ある程度必要な脂肪ですが、内臓脂肪は余分なエネルギーで生活習慣病などの様々な病気を引き起こす原因となります。

なぜ血糖が高くなるの?
糖尿病は、糖分の調節がうまくいかず、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が高くなってしまう病気です。
私たちが食事(炭水化物)を摂ると、お腹で消化されブドウ糖に変わります。
そして、ブドウ糖が血液中に吸収され血糖値が上昇します。
このとき、すい臓からインスリンというホルモンが分泌され血糖値を下げます。
インスリンが分泌されなかったり、分泌されてもその働きが十分でないと、血糖値が上昇したままとなり血管や神経に悪い影響を及ぼします。
内臓脂肪がたまると、インスリンの働きが十分でなくなり、それを補うためにインスリンが分泌されるようになります。
この状態が長く続くと、次第にすい臓が疲労して、インスリンの分泌が低下し血糖の調整がうまくいかなくなってしまうのです。

糖尿病を発症しやすい原因は・・・?
次のような原因によって糖尿病が発症しやすくなります。
- 遺伝(血縁者に糖尿病になった人がいませんか?)
- 肥満(20歳代の健康時の体重より1割以上増えていませんか?)
- 運動不足(適度な運動をしていますか?)
- ストレス (強いストレスを感じていませんか?)
- 暴飲暴食(無理な食べ方、飲み方していませんか?)
- 加齢(加齢とともにインシュリンの感受性が下がります)

症状は・・・?
糖尿病の症状は、気付きにくく、血糖値が多少高いくらいではまったく症状のない人がほとんどです。
高血糖の自覚症状として以下のような症状が挙げられます。
「のどが渇く」「体がだるくなる」「急激な体重の現象」「尿の量と回数が多くなる」
思い当たる症状がないからといって安心はできません。
自覚症状がないまま病状が進んでいく人も少なくないからです。

恐ろしい合併症
症状がなくても糖尿病は徐々に進行し、恐ろしい合併症を引き起こします。
糖尿病の本当の怖さはこの合併症です。
代表的な合併症を挙げると、以下のようなものがあります。
糖尿病神経障害
合併症の中で最も早く出てくるのがこれです。中心となる末梢神経
障害の足や手の症状の出かたは様々で、手足のしびれ、けがや火傷の痛みに気付かないなどです。
そのほか筋肉の萎縮、筋力の低下や胃腸の不調、立ちくらみ、発汗異常など様々な自律神経障害の症状も現れます。
糖尿病網膜症
目の底にある網膜という部分の血管が悪くなり、視力が弱まります。
なかには失明する場合もあります。
また、白内障になる人も多いといわれています。
糖尿病腎症
おしっこを作る腎臓の糸球体という部分の毛細血管が悪くなり、だんだんおしっこが作れなくなります。
すると人工透析といって、機械で血液の不要な成分をろ過して、機械でおしっこを作らなければなりません。
週に2~3回、病院などで透析を受けるようになるので、日常生活に大きな影響を及ぼします。
現在、人工透析になる原因の1位がこの糖尿病腎症です。
動脈硬化
メタボリックシンドロームなどから進行する動脈硬化も糖尿病の合併症のうちの1つです。
動脈硬化が進行すると、心筋梗塞や脳梗塞など命を左右する病気を引き起こすことになります。
どのような検査をするの?
【糖尿病かどうか確かめる検査】
尿糖検査
尿に糖が出ていないかを調べる検査です。
血糖値が高くなると、ブドウ糖が尿中に出てきます。
血糖検査
12時間以上何も食べていない状態(空腹時)の血糖値をはかり、糖尿病の疑いがないか確かめます。
正常時:空腹時110mg/dl未満
糖尿病型:空腹時126mg/dl以上
ブドウ糖負荷試験
空腹時採血の後で、トレーランGという甘い検査用の液体を飲み、負荷後30分、60分、120分後に採血して血糖値を測定する検査です。
【血糖値のコントロールをみる検査】
グリコヘモグロビン検査
過去1~2ヶ月間の平均血糖値が分かります。
検査するタイミングが食前か食後かなどの条件に左右されないため、日頃の治療の良し悪しをチェックするのに役立ちます。
最近の研究では、食後の高血糖は動脈硬化の進行とより強い相関関係があることがわかってきました。
そして、メタボリックシンドロームに該当するような糖尿病予備軍では、食前の血糖値は正常なのに、食後の血糖値が高くなっていることがよくみられます。
糖尿病でないかどうか、または糖尿病予備軍でないかどうか、調べてみてはどうでしょうか。